自由が丘MCクリニック 医師:大谷伸久

豊胸シリコンバッグの拘縮とは?

豊胸シリコンバックのトラブルに起こりうることの1つ

これが現実!豊胸バッグの将来

豊胸手術は15年近く手術をしてきました。

そこで、わかったことは、
自分の理想とする豊胸術と実際のバッグを入れた豊胸術とでは、大きな隔たりがあったことです。

拘縮ってなんだ?

この写真をよく見てみて下さい。特に右(自分から見て写真左)。

そうです、形が変ですよね。

右側は「拘縮(カプセル)」と言って、異物である豊胸バッグに体が反応して、バッグの周りが硬い膜に覆われる結果、生じるものです。

この厄介なのが、術後すぐに現れない点です。

豊胸バッグを入れたことによるトラブル・合併症の1つ「拘縮」というものです。

術直後は、キレイな形なのですが、時間とともに手術の手技にかかわらずこのような結果になることがあります。

かなり高い頻度で生じます。

このカプセル拘縮に対し、バストの硬さ、見た目などを基準にしたBaker分類というものがあります。

拘縮の見分け方

  • グレードI: バストは普通の硬さで、見た目も自然
  • グレードII: バストは若干硬いが、見た目は自然
  • グレード III: バストは硬く、見た目はゆがんで見える
  • グレード IV: バストは硬く、痛みもあり、見た目もゆがんで見える

なんだか、読むと抽象的で、すべて似ているようで、「次のうちから正しいものを選びなさい。」というような国語のひっかけ問題のようです。
読んでもイメージがわかない方はさらに下を読んでください。(具体例付き)
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グレードⅠは、医学的には、特に問題ないでしょう。
ご本人も大満足!ただ、乳房本来の柔らかさはないけど見た目は問題なし。
特に大胸筋下でおこなったひと。体に合わないぐらい大きいものを入れているため、皮膚に張りがですぎている人。ただ、触るとわかる男は分かるし、まったく分かっていない脳天気な男もいます。
相手には、本当はバレているけど、当のご本人は相手にはバレていないと思っている状態。

※なぜこのようなことになるかというと、
本人自身はバストが大きいという感覚が生まれてこの方知らないので、大きくなったことで大満足をしてしまっている。パートーナーが童貞でもない限り、普通は「何かへんだな??」とは思うことでしょう。

ただ、世の男は、相手がまさか自分の相手が「豊胸バッグを入れている」とは鼻から思ってもいないし、「もしや」と思っていても、確信が持てる状態ではないことが多いでしょう。
もちろん、豊胸バッグを入れていても、まったく気にしない男もいますので、ご安心を。



グレードII
ちょっとやっかいな時期です。
見た目は、まだ自然だからこそやっかいです。

けど、触ると乳房本来の柔らかさはまったくない。
胸を寄せられていたものが、日に日に寄らなくなってきた・・・谷間ができない・・・(もとから谷間ができないひともいますが)疑問を感じるようになる日々に。

この段階になると、グレード Iでは気にならなかった人も、手術をおこなったクリニックに連絡をし、今の状態を伝える。

もちろん、その声は医師には届かずに、「様子を見て、マッサージをがんばりましょう」と受付スタッフに電話を切られてしまいます。

「えっ、もう1年も経つけど・・・」って、感じで!?電話相手が、親身に話を聞いてくれないと、違うクリニックに走ってしまいます。

逆に、本人はこの段階になってもまだ満足状態のひともいます。
ただし、本人が満足なはずなのに、あるときパートナーに豊胸バッグのことで指摘されたりすると、出鼻をくじかれたように、だんだん気になり始めるひとも・・・。

結構、こういう人多いのです。指摘されるならいいのですが、パートナーが何も言わずに自分から遠ざかってしまうということもあるかもしれません。なぜなの?って感じで。
まあ、当然原因が違うことも多々あるでしょうけど。



グレード III
ぐらいになると、自分ももちろん気になるし、今までわからなかった彼氏でさえ硬いし、なんだか形も変なのがわかるようになります。

セックスもふさぎがちになるかもしれません。間違っても、明るいところで胸を見せるのがこわくて室内を明るくしてセックスはできません。


左はBakerⅠ、右はBakerⅢで歪んで、位置もおかしなことになっている。痛みもあり。



グレード IV
もうここまで来ると、もう相手には見られたくない、触られたくありません。セックスとは程遠くなります。パートーナーとセックスしている場合ではありません。

頭の中は、今後どうなってしまうのだろうか?手術をやりなおさなければいけないかで、不安でいっぱいになってしまいます。もちろん、友達に温泉を誘われても決して行くことはありません。

左がBakerⅣで豊胸バッグが入っていることがわかる、右がBakerⅡ

拘縮する前兆はあるのか?

豊胸バッグを入れているとは、意外にも自分の胸を触らないことが多いようです。

身体の変化というのは少しづつしか変化しないため、仮に、毎日触っていても変化に気づかず、気がついたときには拘縮していることがとても多いです。

拘縮は、朝起きたら、急に生じることはなく、徐々に進行していくため、残念ながら前兆をとらえることができません。

具体的すぎてすいません。でも、これが現実です。

<余談>
豊胸バックの合併症の1つにバストの感覚、乳首・乳輪を含めた知覚低下、知覚過敏などがあります。

これについては、今後記載しますが簡単に言うと、触られて感じないぐらいならいいですが、特に知覚過敏になると下着が触れるだけで痛い感じなど生じます。

バストを触られるなんて考えられない!・・・ぐらいの感覚になります。
もちろんこのような状態では、相手に触られたくありません。

まだ読んでいない人は
☞これが現実!①豊胸バッグの将来

豊胸バッグトラブルと合併症、シリコンバッグ除去を考えているひとへ
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