豊胸バッグを使った手術も一般的な手術と同じようにトラブル、合併症を生じます。ただ、豊胸に特有な症状もあります。
下記トラブルのリストは、限局した合併症で、相反する結果が少なくとも豊胸バッグを入れた人でもある一定の頻度で生じます。これらのいずれかの治療をするために、非外科的治療または、追加の手術が必要になることがあります。
乳房の左右非対称
サイズ、形、乳輪乳・乳首の高さが不均一を特徴とします。
本来ひとは、どこの場所でも完全な左右差がないところはありません。顔もそうです。そのため、乳房も手術前から多少の左右差があります。それを大きくすることで、その本来あった左右差がよりはっきりわかります。
これは、手術前からよく見ると左右差があることがわかりますので、手術前に確認しましょう。
上記のことは避けられないのですが、手術による豊胸バッグの入れている場所が左右で異なる場合は別です。
例えば、各乳房に大胸筋下、乳腺下に各々入れると当然自然な左右差ではなく不自然な左右差になります。
胸の痛み
乳首の痛み、もしくは、部分的な乳房の痛みを生じることあります。これらの症状は手術直後の痛みのことではなく、術後しばらく経ってから生じる慢性的な痛みのことです。
長期に及ぶ場合、日常生活に支障を来すひともまれにいます。
乳房組織の萎縮
豊胸バッグが大きいと常に乳腺組織を常に圧迫しているので、次第に組織が萎縮します。乳腺だけでなく皮膚も萎縮し、薄くなります。
入れている期間、バッグの大きさなどにも影響してきます。
石灰化
豊胸バッグの周りに石灰化を起こす。異物に対する身体の反応。マンモグラフィーで乳がんと間違えられることもあります。ただし、乳がんとの区別はつくものです。もちろん、胸部X線でも石灰化が認めれます。
カプセル拘縮
体内に異物が入ると、身体の防御反応として、その異物を取り囲むように薄い膜ができます。通常2~3㎜の厚さです。
拘縮がひどくなると、乳房が変形したり、硬くなり、柔軟性がまったくなくなります。締め付けが強くなるので、痛みを生じることも多いです。
胸郭の変形
豊胸バッグは本来柔らかいものですが、長年乳房にあると、そのまわりの組織を圧迫していますので、乳腺の萎縮、肋骨の変形を来すことがあります。これは、バッグを入れているときはわかりませんが、バッグ除去したときにわかります。
また、乳房がクレーターのようになることもあります。
バッグの中身の漏出
豊胸バッグが破損しなくても、豊胸バッグの膜からシリコンが漏出することがあります。これは、長期に入れていた場合ですが、シリコンも劣化するためです。
傷の治りが悪い
手術直後の症状で、豊胸バッグに特有のことではありません。
インプラントが皮膚から出てしまう
豊胸バッグが過度に皮膚に当たっていると、その部位の皮膚に圧力が加わり、次第に皮膚が弱くなってきます。そのため、最悪な事態だと皮膚から豊胸バッグがでてきます。
この場合は、通常小さい穴から次第に大きくなり、豊胸バッグの一部が皮膚から見ることができます。皮膚の薄い場所に生じやすいです。また、初期症状として、その小さい穴から汁(浸出液)が出てくるので、濡れているはずのない場所から濡れているのを感じるはずです。
感染
細菌などの微生物で創傷が汚染されたときに生じます。手術後の一般的にみられる症状で、手術が原因である場合、術後1週間ほどでこの症状を来します。
この感染は豊胸手術に限って起こるわけではありませんが、もし感染が起きた場合には、抗生剤などで対処します。それでも感染が引かない場合には、豊胸バッグを除去する必要があるかもしれません。
リンパ節が腫れる
ときに脇のリンパ節が腫れることがあります。自分ではわからないぐらいの腫れなので、MRI検査などでわかることがあります。リンパ節が腫れる理由は、異物に対する反応です。豊胸バッグが脇にもっとも近いことが理由の1つです。
バッグの位置が異常
これは手術手技の問題から生じます。バッグを入れる位置がおかしい場合に起こります。大胸筋下、乳腺下が別々の場合、バッグを入れるためのポケットを剥離しすぎなどに起こります。
重力、外傷、カプセル拘縮によっても原因になります。
壊死
乳房の周りの血行が悪いと、組織に血流が十分に行きわたらないために皮膚が腐ってしまいます。感染、ステロイドの使用、タバコ、抗がん剤、放射線治療、過度な温熱療法など行っている場合に起こります。
豊胸手術の場合は、バッグと皮膚の間に距離がない場合に皮膚の壊死を起こします。
乳首、乳房の感度低下
乳首を含む乳房における感覚が低下します。一時的の場合もありますし、永久的の場合もあります。性的反応や授乳に影響を与えることがあります。
感度が鈍い場所は、広範囲に渡りますが、一般的には乳首を含めたイラストの場所になります。
性生活に影響を来すひともいます。
バッグが触れているのがわかる
乳房を触ると豊胸バッグが入っていることがたいていわかります。もっともわかりにくいのは、皮下脂肪が厚い人です。そして、バッグが小さいものを入れてる場合はなおわかりにくいでしょう。拘縮しているとなおわかりやすいです。
サイズ200㏄以上のバッグを入れている場合は、相手もほぼわかります。女性経験が少ない男性の場合は、わからないひとも極稀にいるようです。
下垂
豊胸バッグを入れていいても皮膚は加齢ととも下垂していきます。豊胸バッグを入れているとその本来の下垂はわかりにくいですが、豊胸バッグ除去するとわかりやすいです。下垂の原因は、加齢、妊娠、体重減少などです。
バッグ除去後は、写真のようにバッグを入れていたことによる皮膚が伸びてしまったことに加え、加齢による下垂も合わさっています。
内出血
手術時の出血で、皮膚の色が変わることがあります。これは異常なことではなく、予想された症状で、一時的なもので3~4週で消失します。
破損
豊胸バッグは永久的でもありませんし、半永久的でもありません。年数が経つと必ず体内にあっても劣化します。そのため、手術後10年すると破損しやすい状態になります。もちろん、すべてのひとが破損するわけではありません。
生理食塩水の破損は自分でも確認できますが、シリコンの場合は自分では判断がつきにくいです。
ただし、破損の特徴としては、拘縮している場合には、急に柔らかくなったという場合は要注意です。拘縮が改善することは絶対にないからです。
破損の形態には、被膜内、被膜外の破損があります。それぞれ特徴があります。
乳房内に水が溜まる
豊胸バッグの周りに水(浸出液)が溜まることがあります。これは、炎症反応を起こしている証拠です。水のたまりが少ない場合は、本人も気が付きませんが、多くなると、左右差も違ってくることで気が付きます。少量の場合は自然吸収しますが、左右差がひどすぎるぐらい多量の場合は、抜かないといけません。
皮膚の発疹
豊胸手術をする前にはなかったものが、術後しばらくしてから生じることがあります。原因不明の湿疹です。
大きさに不満
使われたバッグのサイズ、形状について、医師と患者でよく話合わないと、術後にできあがりにギャップを生じます。
バッグが透けて見える
乳房のアンダーバスト、外側の皮膚が薄い場所に生じます。透けて見えるぐらいのときには、バッグが露出するのにそれほど時間はかかりません。
リップリング
皮膚を通して、豊胸バッグの波打ったしわが生じます。触ると少し硬いです。また、1か所だけ出っ張った感じのものあります。かがんだときにわかりやすいです。
☞豊胸バッグトラブルと合併症、シリコンバッグ除去を考えているひとへ
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