ベネズエラのチャベス大統領が、同国で15歳の誕生日のお祝いに豊胸手術をプレゼントする風潮が広まっていることに苦言を呈しているという記事があった。
同大統領は
「一部の人が『娘が15歳になるから豊胸させよう』
と考えている。これは恐ろしいこと。究極の退廃だ」と述べたという。
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ぼくはこの記事を見て、ある患者さんを思い出した。
印象ある患者さんは覚えているもんで、こんな患者さんだった。
場所は、診察室。
まずは、カルテをみると、
職業:高校生、年齢:16歳。手術希望:豊胸。
(えっ、この年で?未成年だしやらない方向でもっていこう・・・)
診察室に入ってもらうと、本人、両親ともに入ってきた。
(お父さんまでいっしょにきているので、さぞ深刻なのだろう。
通常は、お母さんといっしょのことが多い。また、この時点では、
お父さんはまず「反対」しているのだろうと思っていたので、
断るのは簡単だと思っていた)
多くのケースで、大概この時点で(親が反対している場合)、
「ほら、先生に聞いてもやはりやらない方がいいと言うじゃないか」と子どもに説得するものなのだ。
さて、話を聞いていくと、娘はあまりにも胸が小さく、本人もコンプレックスを持っていて学業にも身に入らないということだった。
(小さいの当たり前だしょ、高1だよ。まだ)
さて、本人が未成年だし、今後乳腺だって発達していくわけだから、手術の適応はないことを説明した。
が、この家族、
両親ともに「娘にどうか手術をしてください」という旨だったのだ。
(えっ、まじ?お父さん反対じゃないの?
この家族どうなっちゃてるんだよ)
その日は、とにかく手術の適応はないからの一点張りで、
よく考えてもらうように説明して帰っていきました。
(当然、考える余地はないと思うのだが・・・)
後日、再度両親ともに来院したが、やはりどうしてもやってほしい、と。
(なぜか、お父さんが積極的だった)
話がもう平行線なので、成長段階にバッグを入れることは将来支障を来たすリスクをともなうことも存分に説明し結局は手術をしてしまった。
その後、家族ともども大変満足もして逆に感謝されたのだが、
喜んでいいものなのか、とてもあと味が悪いものであった。
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まあ、豊胸手術をしたことにより、患者さんの笑顔が戻り
(手術前は表情が暗かった)、学生生活もうまくいくのなら、いた仕方なかったのであろうか?
美容外科の弊害として、あまりに若い子を手術するのはけしからん!
という世間の意向があるのももちろん知っています。
現場では、どうしても断れないこともあるのです・・・
これから長い人生なのに、16歳で豊胸か~。
今後どうなっちゃうんだろうか?
若い子をするのは、やはり躊躇してしまう。
それも、両親が反対していればいいのだが、両親は賛成!の場合。
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もっとひどい話。
母親が、「うちの子は一重だから二重にしてほしい」という希望。
どこがすごいって、娘本人は一重を気にしていないし、
やりたくないと主張。最後は泣いていた。
しまいには、診察室で親子喧嘩が始まってしまいました。
結局これも、親の強制で?手術を行いました。
親の言いなりもココまで来ると
何か空恐ろしいものを感じてしまう案件だった。
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さて、ベネズエラの話に戻るが、この国ではテレビで豊胸手術の広告が流され、銀行もこういった手術への特別融資枠を設定しているという。
みなさんどう思いますか??
☞豊胸バッグのトラブル、合併症の現実
(豊胸シリコンバックトラブル①から見れます)
☞豊胸バッグトラブルと合併症、シリコンバッグ除去を考えているひとへ
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