自由が丘MCクリニック 医師:大谷伸久

豊胸バッグ・インプラントによる豊胸手術は、乳がんの診断を遅らせる可能性があるとする医学研究論文の紹介です。
(以前から言われていたことですが・・・)

豊胸手術がもたらす健康リスクについての必要性を訴えています。

豊胸バッグを入れていると乳がん検診受けずらい
マンモグラフィーで、胸をつぶしているところ

今回発表されたのは、カナダの医学研究チームによるものです。
要旨をお伝えします。

・豊胸バッグ・インプラントを入れた女性は乳がんの診断ががん末期まで遅れるリスクが30%近く高い。

・別の研究を再分析した結果、豊胸バッグ・インプラントを入れた女性は乳がんで死亡するリスクが40%弱高かったという。

理由⇒乳がん検査のマンモグラフィーで、豊胸バッグ・インプラントがX線を遮断するなどして、乳房組織の撮影を妨げるから。
豊胸バッグを入れているマンモグラフィー
マンモグラフィー
豊胸バッグがあることにより、乳腺が一部わかりにくくなります。

・以前から言われているように、豊胸バッグ・インプラント自体が乳がん発症の原因であることを示唆するデータは得られなかった。
⇒よかったです。。。

・豊胸バッグ・インプラントがあることによって胸のしこりが感じられにくくなることもなかったという。
☞豊胸バッグの入れているところは、乳腺の下、または、大胸筋の下です。いずれも、バッグは乳腺の下にあるので、自分で触ったときに、皮下を通して、乳腺を直接触っていることになります。

そのため、しこりがあるときには、気が付くかと思います。

・英国美容外科医師会は、今回の分析結果を受け、「乳房インプラントを入れた女性の診断方法について、マンモグラフィーよりもMRIなどの方法が適しているかどうかを調べるための、さらなる調査が必要」と述べています。

・米国では、8人に1人の女性が生涯のある時点で乳がんの診断を受けると推定されています。(日本は12人に1人)

・WHO(世界保健機関)によると、乳がんは女性に最も発症例の多いがんの種類で、毎年138万人が発症し、死者数は45万8000人に上ります。

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