1990年代以降、豊胸シリコンバッグを入れているひとたち、そして、バッグが破損したことにより、膠原病または、混合性結合組織病(MCTD)の診断基準にいずれにも合わない症候群があります。

ヒトアジュバンド病は、自己免疫疾患として考えられています。豊胸バッグが破損したことにより引き起こされた例が最近多く報告されています。

今回は、海外の症例をご紹介します。

ケースレポート
・3年前に豊胸手術を受けたブラジル人女性23歳。
バッグを入れる前
手術前

バッグを入れた後
手術後

・とくにこれといった病気も今までになく、現在服用している薬もなし、最初の3年間は特に問題もなく、裸で日光浴する習慣もない。
・術後3年経ってから急に胸付近だけに湿疹ができる。豊胸バッグが入っている場所に限局して湿疹ができている。


・接触性皮膚炎ではないかと、パッチテストも行うも異常なし。
・血液検査も異常なし。現存する免疫疾患で異常値が出る項目もなかった。
・超音波検査、MRI検査でも、豊胸バッグに破損、拘縮などはなく異常なし。

症状
豊胸バッグインプラントがある皮膚表面に限局した湿疹で、症状の主項目の2つに当てはまったので、ヒトアジュバンド病と診断された。ヒドロキシクロロキンを6か月間投与で改善された。
免疫疾患の薬を飲んだら湿疹は改善する
その後も症状がなくても2年間薬を飲み続けてる。

※ヒドロキシクロロキンは全身性エリテマトーデスや他の膠原病の皮膚症状、関節症状をはじめとしてさまざまな病態の治療、または膠原病、自己免疫疾患に用いられている。

シリコンが原因によるヒトアジュバンド病は、海外では頻繁に報告されています。
豊胸バッグのある場所に限局された皮膚の症状と他の症状がまったくなく、原因がわからない比較的新しい病気と言えます。

原因不明の症状を解決するには、豊胸バッグ切除することがまずは第一選択になりますが、せっかく美容のために行った豊胸バッグを摘出することは、患者の意に反したようで、結局、よく免疫疾患に用いられる薬によって急速に改善したため、切除することは避けることができました。

乳房の皮膚の症状は、豊胸バッグの位置に完全に一致した領域に出来ている症例としては、従来の医学文献では報告されていません。

現在の医学的見地からは、自己免疫の解明されるまで、遺伝的素因もあるかもしれないので、自己免疫反応を持つ患者においては、当然豊胸手術をすることは賢明ではないでしょう。

ヒトアジュバンド病は、詳細な原因はわかっていません。従来の報告では、豊胸バッグを切除する必要があるとされていますが、今回の症例ではくすりが良く効いたため、バッグを切除しなくて済みました。

シリコンは、おそらく弱い抗原物質であり、適切な治療によっては、稀なヒトアジュバンド病でも豊胸バッグを温存することできるかもしれません。

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参考医学文献
Autoimmune Syndrome Induced by Adjuvants (ASIA) after Silicone Breast Augmentation Surgery
Plast Reconstr Surg Glob Open. 2017 Sep; 5(9): e1487