自由が丘MCクリニック 医師:大谷伸久

純粋な豊胸手術や乳がん後の乳房再建術で豊胸バッグを入れて、からだの不調を訴えるひとが、アメリカFDA(日本の厚生省と同じ)への報告が今年で8000件以上上回ることがわかりました。

豊胸バッグは、乳がんの乳房再建でアメリカ日本での使用が認められていますが、医学界では安全性をめぐる議論がいまだに続いています。

届け出対象の豊胸バッグは、アメリカで販売、使用が認められた医療機器メーカー4社の豊胸バッグの8種類です。このうち1社の豊胸バッグは、日本の厚生労働省も承認しており、乳がんの手術後に乳房再建目的で使用する際には、2013年7月から保険適用されています。

厚生労働省は今回の報告を受け、新たな健康問題が浮上したとの見方を否定しています。といっても、来年3月に豊胸手術とその健康被害の関連性した会議を開く予定らしいです。

豊胸バッグは、1980年代以降、膠原病、自己免疫疾患や血液のがん(ALCL)などの発症を指摘する声が相次いできました。しかしながら、日本では豊胸バッグにかかわる被害の報告は多くない。自己免疫性疾患とみられる症状を訴える例はあるものの、ALCLの発症は確認されていません。

報告が少ないのではなく、そもそも日本の豊胸バッグの現状は、術後に再度病院にかかることが少ないこと、クリニックのその後のフォローがしっかりしていないからでしょう。

豊胸バッグが原因で合併症を引き起こす可能性は低くはなく、問題への対処はまだまだ不十分です。確定的な安全性が保障されているわけではないと考えた方がよさそうです。

4年前に乳がん後の豊胸バッグの使用が健康保険で認められたことを記載しました。
豊胸バッグを取りだしてみた結果のトラブルとは?
世界的な流れとしては、豊胸バッグが絶対安全であると確定したわけではありません。美容で行われるものと同じですから、10年後には、いろいろなトラブルが明るみに出てくることは確実です。

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